Xmasを前にした日曜の午後(12月22日、14時~ )、河本基實さん企画の「バロックコンサート」に足を運びました。配布資料には、次回と次々回の予定がすでに記されていました。開催ペースが確立した感があります。
今回のテーマは「ピアノとガンバによるバッハのソナタや組曲ほか」。ピアノの音量に合わせるため、ヴィオラ・ダ・ガンバはマイクとスピーカーを通しての演奏でした。前半は「ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第1番 ト長調」(BWV1027)と「無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調」(BWV1008)の2曲。休憩を挟んで、後半の最初の2曲はピアノ独奏による「平均律クラヴィーア曲集 前奏曲とフーガ 第1巻」から「第14番 嬰ヘ短調」と「第21番 変ロ長調」の演奏がありました。ピアノ奏者の木橋奏子さんは、河本さんと一緒にバッハを演奏することになって、再発見することが多かったと語っておられました。その後、河本さんが「もっとピアノ曲を聴いていたい、というお客さんも多いでしょうが」と冗談をおっしゃりながら登壇され、場が一層和むなか、「ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第2番 ニ長調」(BWV1028)が演奏されました。「バッハは美しい曲をたくさん残しております。その美しさを再現できるかどうかは別の話ですが、がんばって演奏します」という言葉に、音楽に真摯に向き合っていらっしゃる様子が感じられ、胸を打たれました。また演奏前にそれぞれの曲について河本さんご自身のイメージを紹介くださり、鑑賞の良い導きになりました。
アンコール曲は、「管弦楽組曲第3番ニ長調 第2曲」(BWV1068, G線上のアリア)で、年の瀬に相応しい美しい旋律が心に沁みました。
次回2025年4月6日は、「ヴェルサイユのマラン マレ」と題して、ルイ14世時代の楽曲の演奏が予定されています。今からとても楽しみです。
山口日仏協会会長 藤川哲